ポイズンフロッグを狩り始めて3日目。
「とりあえずこの辺りのは狩り終えたって感じだな」
こうお父さんが言うように、森の入口近くで僕が魔法を使っても、もうポイズンフロッグの反応は一個もなくなっちゃったんだよね。
「じゃあ、これで終わり?」
「いや、もう少し奥まで探索しないとダメだな。かなり深い所にいるのならいいが、この辺りまで移動できるようなところにいて、気づいたら大繁殖してましたなんて事になったら、目も当てられない」
僕の魔法はもう結構遠くまで調べられるようになってるんだけど、それでもまだ魔物が移動する範囲全部を調べられるわけじゃないんだよね。
だから今度はもっと奥に行って、残ってるポイズンフロッグもやっつけないとダメなんだって。
「だがその前に、一度森の入口まで戻るぞ」
「戻るの? なんで?」
「流石に森の奥をむやみやたらに歩き回る訳にもいかないだろ? だから、この街の行為冒険者が、普段はどのあたりまで分け入っているのかを入口の商業ギルドに聞かないといけないんだ」
もうちょっと奥まで行くのは変わんないけど、それだったらイーノックカウの冒険者さんたちが普段行くとこをしっかりと調べた方がいいよね?
だからお父さんは、それを聞きにいかないとダメって言うんだ。
「じゃあ、その冒険者さんたちが行くってとこのポイズンフロッグをやっつけるんだね?」
「いや、折角ルディーンの魔法があるんだ。できればそこを含めた、ある程度広範囲を調べておきたい」
普段は人が入んないとこでも、ポイズンフロッグがいたら入口のとこまで来ちゃうかもしれないでしょ?
だから、冒険者の人たちが行くとこだけじゃなくって、そこを中心に結構広範囲を調べたいんだって。
そうしとけばきっと、もう冒険者さんたちがポイズンフロッグに出会う事が無くなるからね。
「そんなに奥まで行く人が居るんですか?」
「ええ。この森の奥にはツリーホーンハインドのような、素材が高く売れる魔物がいますからね」
でもね、入口の天幕で聞いてみたら、この街の冒険者さんたちの中には森の中でお泊りするくらい奥の方まで狩りに行く人が居るんだって。
「そうか。流石にそんな奥まで調べるわけにはいかないなぁ」
だから、それを聞いたお父さんは困っちゃったんだよ。
だってさ、僕やお母さんと一緒にそんな森の奥まで行くわけにはいかないもんね。
「これは一度冒険者ギルドまで戻って、どのあたりまで調べるかを話し合った方がよさそうだな」
と言うわけで、僕たちは一度狩りを中断して冒険者ギルドに戻る事にしたんだ。
冒険者ギルドに戻った僕たちは、さっそくルルモアさんにどれくらい奥まで調べたらいいの? って聞いてみたんだ。
「確かに、そんな森の奥まで入ってもらう訳にもいきませんね」
そしたらルルモアさんも、困った顔になっちゃた。
そりゃあ、ポイズンフロッグは全部やっつけて欲しいよ?
でも僕はまだ小さいから、森の中でお泊りしないとダメなくらい奥まで入るのは冒険者ギルドとしても流石に許可できないんだって。
「だがどうするんだ? ルディーンがいないと、ポイズンフロッグを探すのは無理だぞ」
「そうですよねぇ」
いっくら一生懸命探したって、全部のポイズンフロッグを見つけてやっつけるなんて普通はできないんだよ。
だから最初は冒険者ギルドで調べたのをやっつけて欲しいって話だったんだけど、僕が魔物を見つける魔法が使えるって解ったもんだからルルモアさんとギルドマスターのお爺さんは全部やっつけられるって喜んでたんだ。
でも、その僕が一緒に行けないって事になると、どうしても見つけられないのが出てきちゃうんだよね。
「私の一存ではどうにもなりませんから、一度ギルドマスターを交えて話し合いをしましょう」
「ああ、そうだな」
ここでお父さんとルルモアさんだけでお話してても決められないからって、僕たちはギルドマスターのお爺さんとお話しするj事になったんだ。
「流石にこのような小さな子を、森の中で一晩過ごさせることなど許可できないぞ」
ルルモアさんに連絡してしまってちょっと待った後、僕たちはギルドマスターのお部屋に行ったんだ。
でね、そこでさっきの話をしたんだけど、そしたらギルドマスターのお爺さんも僕がそんな森の奥まで行っちゃダメだよって言うんだよね。
「ええ、そんな事は解っています。だから相談しに来たんじゃないですか」
「確かにその通りか。すまんかった」
でもルルモアさんはそんなの解ってるから、どうしようってお話しに来たんじゃないか! って怒ったんだ。
だからギルドマスターのお爺さんは小さくなって、ごめんなさいしたんだ。
「それで、ギルドマスターはどうしたらいいと思われます?」
「そうだなぁ、わしとしてはなるべく広範囲のポイズンフロッグを見つけてもらいたい。だがこのような小さな子供を森の奥まで行かせることは、やはり許容できん」
ギルドマスターのお爺さんはそう言うと、あごに手を当てながらちょっと上を見て考えこんじゃった。
でね、そのまま少しだけ考え続けた後、
「ルルモア。すまんが、少し使いを頼まれてくれ」
ルルモアさんに、冒険者ギルドの保管庫に行って地図を持って来てって頼んだんだ。
「ギルドマスター、森の地図をお持ちしました」
「おお、ありがとう」
しばらくすると、ルルモアさんが地図を持って戻ってきたんだ。
でね、それを受け取ったギルドマスターのお爺さんは、その地図を広げて僕たちに見せてくれたんだよ。
「ブルーフロッグやポイズンフロッグは普通、水が無い所に住み着く事は無い。それは知っているな?」
「ええ。ですが今は大繁殖してしまったために、水場以外の場所にも生息域が広がってしまっています」
「うむ。だがな、それはあくまで森の外縁部だけだとわしは考えておるのだ」
ブルーフロッグって強いけどただの動物だよね。
だからなのか、強い魔物がいっぱい居る森の奥の方へはあんまり行かないんだって。
「このような状況だから、中には森の奥へと移動した群れもあるだろう。だが、その数がそれほど多くないのであれば」
「なるほど。わざわざ乾いたところに住み着く理由がありませんね」
森の入口んとこはブルーフロッグがいっぱい居るからいろんなとこに住み着かないといけなかったけど、奥へ行ってその数が少なくなってるなら、みんな水場に住んでるんじゃない? ってギルドマスターは考えたんだって。
だからルルモアさんに地図を持ってきてもらって、どのあたりにいるのかを調べようって思ったんだってさ。
「この地図では川や池の位置は解りますが、少量の湧水が沸いているところまでは解りませんね」
「うむ。だがブルーフロッグもポイズンフロッグも大きな体をしておるからな、そのようなところは除外しても構わんだろう」
ルルモアさんとギルドマスターのお爺さんは、地図を見ながらポイズンフロッグがどのあたりにいるのかを予想していったんだ。
「とりあえず、朝一番に街を出れば辿り着ける水場はこれくらいだろう。もっと深い場所にポイズンフロッグが生息している可能性が無いわけではないが、流石にルディーン君をこれより深い場所に行かせるわけにはいかぬ」
「それにもしこれよりも深い場所にいたとしても、冒険者たちがブルーフロッグ狩りを再開してくれるようになればポイズンフロッグと交配する可能性は限りなく少なくなりますわ」
ギルドマスターのお爺さんとルルモアさんはね、ちょっと大変だし全部を一日で回るのは無理だけど、地図に印をつけたとこを調べてねってお父さんにお願いしたんだ。
イーノックカウの近くにある森はグランリルの近くの森に比べてあまり強い魔物はいませんが、大きさはその何倍もあります。おまけに魔力溜まりもかなり奥の方にあるので、高く売れる素材を持つ魔物は森の奥深くまで行かないと狩る事ができません。
確かロルフさんが雇っている冒険者がその様にして魔物を狩っていると前に出てきたと思いますが、実を言うとそう言う冒険者は結構いたりするんですよね。
だから本音を言うと、ギルドマスターとしてはもっと奥まで調べて欲しいと思っているはずです。でも流石に8歳の子供をそんな奥地まで送り込むわけにもいかないので、涙を呑んで断念したと言うわけです。
しまった。食事をしたらアップするつもりだったのに、忘れてこんな時間(PM10:00)になってしまった(汗